炎症は,病原微生物,損傷細胞,刺激物質など,有害物を除去し組織の治癒を開始する生体防御機構で生体維持に不可欠な機能ですが,本来は生体を守るはずの炎症反応が,何らかの原因で過剰にしかも無秩序に起こると,種々の機能障害を来し疾病の発症要因となります。
炎症が関与していると言われる疾患は多岐にわたり,慢性炎症が,生活習慣病,がん,自己免疫疾患といったさまざまな疾患に共通する基盤病態となっていることが明らかにされてきました。したがって,炎症を抑制することが病態の改善に繋がると考えられているものの,極めて多岐にわたる炎症を原因とする疾患に対する個別の抗炎症療法は未だ確立されていません。
そこで,本セミナーでは,炎症を基盤病態とする疾病に対する創薬研究のための新しい切り口の導入を提供できればと考え,諸種病態における炎症の役割を専門に研究されている先生方にご講演いただく形で,企画いたしました。講演者の先生方には,対象となる疾病の炎症としての病態生理,その炎症モデルや解析手法,治療戦略としての標的炎症分子としてどんなものが将来的に有望か,などを講演内容に盛り込んでいただき,さらに十分な質疑応答をしていただくことで,若手薬理学研究者にとっても有意義な企画となっております。
この度の新薬理学セミナー2015は,第66回日本薬理学会北部会と同時開催いたします。興味をもたれている研究者の先生方,院生および学生の皆様には,今後の研究の発展に繋がる貴重な機会になります。多くのご参加をお待ちしております。
※薬理学会会員でなくても参加できます。
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分子医科薬理学講座
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